特別な平行四辺形
「正方形、長方形、ひし形、平行四辺形の定義」
正方形、長方形、ひし形、平行四辺形の4つの四角形には、それぞれ次のような定義があります。
・正方形:4つの角が全て直角で等しく、4つの辺の長さも全て等しい四角形。
・長方形:4つの角が全て直角で等しい四角形。
・ひし形:4つの辺の長さが全て等しい四角形。
大切なポイント:ひし形は平行四辺形の特別な場合なので、平行四辺形の「2組の向かい合う辺がそれぞれ平行」という性質も持っています。
・平行四辺形:2組の向かい合う辺がそれぞれ平行な四角形。
平行四辺形に「4つの角が全て等しい」という特徴を加えると長方形になり、「4つの辺の長さが全て等しい」という特徴を加えると、ひし形になります。
また、「4つの角が全て等しい」という特徴と「4つの辺の長さが全て等しい」という両方の特徴を加えると正方形になります。
「長方形とひし形の対角線の特徴」
・長方形:対角線の長さが等しい。
下図のように、長方形は2つの対角線の長さが等しくなります。
・ひし形:対角線が垂直に交わる。
下図のように、ひし形は2つの対角線が垂直に交わります。
これらの事を踏まえて、練習問題を解いてみましょう。
特別な平行四辺形の練習問題1
下図の四角形\(ABCD\)は正方形である。\(∠AEG=52°\)、\(∠EGC=80°\)である時、\(∠x\)、\(∠y\)の大きさを求めなさい。
特別な平行四辺形の練習問題1の解答
\(AB\;\)//\(\;DC\)より、錯角は等しいので、
\(∠CDG=52°\)
になります。
\(52°+∠x=80°\)なので、
\(∠x=80°-52°=28°\)
になります。
\(∠EGF=100°\)なので、\(∠y\)は
\(∠y=360°-52°-90°-100°=118°\)
になります。
特別な平行四辺形の練習問題2
下図の四角形\(ABCD\)はひし形で、\(AD=AE\)である。\(∠DAE=32°\)の時、\(∠x\)、\(∠y\)の大きさを求めなさい。
特別な平行四辺形の練習問題2の解答
\(AD=AE\)より、\(△AED\)は二等辺三角形なので、
\(∠AED=(180°-32°)÷2=74°\)
になります。
\(AB\;\)//\(\;DC\)より、錯角は等しいので、
\(∠x=74°\)
になります。
\(AB=AD=AE\)より、\(△ABE\)は二等辺三角形なので、\(∠y\)は
\(∠y=(180°-74°)÷2=53°\)
になります。
特別な平行四辺形の練習問題3
下図は、長方形\(ABCD\)を対角線\(AC\)で折り、点\(B\)が移った点を\(B´\)としたものである。\(B´C\)と\(AD\)の交点を\(E\)とする時、\(△EAC\)は二等辺三角形である事を証明しなさい。
特別な平行四辺形の練習問題3の解答
折り返した角なので、
\(∠ECA=∠BCA\) ---①
になります。
\(AD\;\)//\(\;BC\)より、錯角は等しいので、
\(∠EAC=∠BCA\) ---②
①、②より、\(∠ECA=∠EAC\)になり、2つの角が等しいので、
\(△EAC\)は二等辺三角形になります。
特別な平行四辺形の練習問題4
下図で、四角形\(ABCD\)はひし形、\(△DEF\)は正三角形で、\(AD\;\)//\(\;EF\)である。\(A\)と\(E\)、\(C\)と\(F\)を結んだ時、\(AE=CF\)となる事を証明しなさい。
特別な平行四辺形の練習問題4の解答
\(△DAE\)と\(△DCF\)が合同である事を証明すれば、\(AE=CF\)となる事を証明できます。
\(△DAE\)と\(△DCF\)において、\(△DEF\)は正三角形なので、
\(DE=DF\) ---①
になります。
四角形\(ABCD\)はひし形なので、
\(DA=DC\) ---②
になります。
\(AD\;\)//\(\;EF\)より、錯角は等しいので、
\(∠ADE=∠DEF\)
正三角形は全ての角が\(60°\)で等しいので、
\(∠DEF=∠CDF\)となり、
\(∠ADE=∠CDF\) ---③
になります。
①、②、③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
\(△DAE≡△DCF\)
になります。
ゆえに、
\(AE=CF\)
になります。