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直角三角形の合同
直角三角形とは、1つの角が直角(\(90°\))である三角形の事を言い、直角三角形の合同条件には次の2つがあります。
・条件1:直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。
鋭角(えいかく)とは、直角より小さい角度の事です。
下図のように、斜辺と鋭角のどちらかがそれぞれ等しければ、2つの直角三角形は合同になります。
・条件2:直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。
下図のように、斜辺ともう一つの辺がそれぞれ等しければ、2つの直角三角形は合同になります。
この2つの条件のどちらかが成り立てば、2つの直角三角形は合同になります。
これらの事を踏まえて、練習問題を解いてみましょう。
直角三角形の合同の練習問題1
下の図で、合同な三角形の組を2組選び、記号で答えなさい。また、その時に使った合同条件を答えなさい。
直角三角形の合同の練習問題1の解答
・1組目:㋐と㋔
合同条件:直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。
・2組目:㋑と㋕
㋕の一番小さい内角は\(180°-90°-60°=30°\)になります。
合同条件:直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。
直角三角形の合同の練習問題2
下の図で、四角形\(ABCD\)は正方形、\(△AEF\)は\(AE=AF\)の二等辺三角形である。この時、\(BE=DF\)である事を証明しなさい。
直角三角形の合同の練習問題2の解答
\(△ABE\)と\(△ADF\)が合同である事を証明すれば、\(BE=DF\)である事を証明できます。
\(△ABE\)と\(△ADF\)において、
\(AE=AF\) ---①
四角形\(ABCD\)は正方形なので、
\(AB=AD\) ---②
\(∠ABE=∠ADF=90°\) ---③
①、②、③より、直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいので、
\(△ABE≡△ADF\)
になります。
ゆえに、
\(BE=DF\)
となります。
直角三角形の合同の練習問題3
\(AB=AC\)である二等辺三角形\(ABC\)の頂点\(B\)、\(C\)からそれぞれの対辺\(AC\)、\(AB\)に垂線を引き、\(AC\)、\(AB\)との交点を\(D\)、\(E\)とする。\(BD\)と\(CE\)との交点を\(P\)とする時、\(△PBC\)は二等辺三角形である事を証明しなさい。
直角三角形の合同の練習問題3の解答
\(△EBC\)と\(△DCB\)が合同である事を証明すれば、\(△PBC\)が二等辺三角形である事を証明できます。
\(△EBC\)と\(△DCB\)において、
\(△ABC\)は二等辺三角形なので、
\(∠EBC=∠DCB\) ---①
\(∠BEC=∠CDB=90°\) ---②
\(BC\)は共通 ---③
①、②、③より、直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいので、
\(△EBC≡△DCB\)
になります。
ゆえに、\(∠ECB=∠DBC\)となり、
\(∠PCB=∠PBC\)となるので、
\(△PBC\)は二等辺三角形になります。