目次
三角形の合同条件と証明
・三角形の合同条件
三角形の合同条件には下記の3つがあり、3つのうちの1つが成り立てば、2つの三角形は合同になります。
条件1:3組の辺がそれぞれ等しい。
条件2:2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい。
条件3:1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい。
この合同条件を覚えていないと合同を証明できないので、必ず覚えるようにしましょう。
・証明
証明問題を解くコツは、等しい線分や等しい角度には、図中に印を書き込んでいく事です。
そして、最初に「△〇〇〇と△▢▢▢において」と書きます。
次に、~なので、「✕✕=◎◎」というように、等しい線分や等しい角度を1つずつ文章で書いていきます。
合同条件がそろったら「~がそれぞれ等しいから」と合同条件を書き、
最後に「△〇〇〇≡△▢▢▢」と書けば、三角形の合同の証明は終わりです。
応用問題になると、図の中に直線を追加したりしないと解けない問題もあります。
そういう問題が解けるかどうかは、そのポイントに気付けるかどうかで決まると思います。
ポイントに気付けるようになるためには、色々な問題をたくさん解く事が大切なので、頑張って問題をたくさん解くようにしましょう。
では早速、練習問題を解いてみましょう。
三角形の合同条件と証明の練習問題1
下図のように、線分\(AB\)と\(CD\)が点\(O\)で交わっている。
\(OA=OB\)、\(OC=OD\)ならば、\(AC\;\)//\(\;DB\)である事を証明する。
▢には当てはまる記号を、( )には三角形の合同条件を書きなさい。
【証明】\(△OAC\)と\(△OBD\)において、
仮定から、\(OA=OB\) ---①
\(OC=\)▢ ---②
対頂角は等しいから、\(∠AOC=∠\)▢ ---③
①、②、③より( )がそれぞれ等しいから、
\(△\)▢\(≡△OBD\)
合同な図形の対応する角の大きさは等しいから、
\(∠OAC=∠\)▢
従って、錯角が等しいから、\(AC\;\)//\(\;DB\)
三角形の合同条件と証明の練習問題1の解答
▢の中に入るのは、順に
\(OD\)、\(BOD\)、\(OAC\)、\(OBD\)
になります。
( )の中に入るのは
2組の辺とその間の角
になります。
三角形の合同条件と証明の練習問題2
下図のように、円\(A\)と円\(B\)が2点\(C\)、\(D\)で交わっている。点\(A\)と\(B\)、\(C\)、\(D\)をそれぞれ結ぶ時、線分\(AB\)は\(∠CAD\)の二等分線である事を証明しなさい。
三角形の合同条件と証明の練習問題2の解答
二等分線というのは、角を二等分する直線の事です。
上図のように、点\(B\)と\(C\)を結ぶ線分\(BC\)と、点\(B\)と\(D\)を結ぶ線分\(BD\)を引くと、\(△ABC\)と\(△ABD\)ができます。
\(△ABC\)と\(△ABD\)において、
線分\(AC\)と線分\(AD\)は、どちらも円\(A\)の半径なので、
\(AC=AD\) ---①
になります。
線分\(BC\)と線分\(BD\)は、どちらも円\(B\)の半径なので、
\(BC=BD\) ---②
になります。
線分\(AB\)は、どちらの三角形にも共通の線分 ---③
①、②、③より、3組の辺がそれぞれ等しいので、
\(△ABC≡△ABD\)
になります。
\(∠BAC=∠BAD\)なので、
ゆえに、線分\(AB\)は\(∠CAD\)の二等分線になります。
三角形の合同条件と証明の練習問題3
下図で、四角形\(ABCD\)、四角形\(ECFG\)はどちらも正方形である。点\(B\)と\(E\)、点\(D\)と\(F\)をそれぞれ結ぶ時、\(△EBC≡△FDC\)である事を証明する。▢には当てはまる記号や数を、( )には三角形の合同条件を書きなさい。
【証明】\(△EBC\)と\(△FDC\)において、
正方形の4つの辺の長さは等しいから、
\(BC=\)▢ ---①
▢\(=FC\) ---②
\(∠ECB=\)▢°\(-∠ECD\) ---③
\(∠FCD=90°-∠\)▢ ---④
③、④から、\(∠ECB=∠FCD\) ---⑤
①、②、⑤より、( )がそれぞれ等しいから、
\(△EBC≡△FDC\)
三角形の合同条件と証明の練習問題3の解答
▢の中に入るのは、順に
\(DC\)、\(EC\)、\(90\)、\(ECD\)
になります。
( )の中に入るのは
2組の辺とその間の角
になります。
三角形の合同条件と証明の練習問題4
下図で、四角形\(ABCD\)は\(AD\;\)//\(\;BC\)の台形である。辺\(DC\)の中点を\(M\)とし、直線\(AM\)と辺\(BC\)の延長との交点を\(E\)とする。この時、\(AD=EC\)である事を証明しなさい。
三角形の合同条件と証明の練習問題4の解答
まず、\(△AMD\)と\(△EMC\)が合同である事を証明します。
\(△AMD\)と\(△EMC\)において、
\(M\)は辺\(DC\)の中点なので、
\(DM=CM\) ---①
になります。
対頂角は等しいので、
\(∠AMD=∠EMC\) ---②
になります。
\(AD\;\)//\(\;BC\)より、錯角は等しいので、
\(∠ADM=∠ECM\) ---③
になります。
①、②、③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、
\(△AMD≡△EMC\)
となります。
ゆえに、
\(AD=EC\)
になります。
三角形の合同条件と証明の練習問題5
下図のように、線分\(AB\)上に点\(C\)をとり、線分\(AC\)を1辺とする正三角形\(DAC\)と、線分\(CB\)を1辺とする正三角形\(ECB\)をつくる。\(AE\)、\(DB\)の交点を\(F\)とする時、次の問いに答えなさい。
(1)\(△ACE≡△DCB\)である事を証明しなさい。
(2)\(∠DFA\)の大きさを求めなさい。
三角形の合同条件と証明の練習問題5の解答
(1)\(△ACE≡△DCB\)である事を証明しなさい。
\(△ACE\)と\(△DCB\)において、
\(△DAC\)と\(△ECB\)はどちらも正三角形なので、
\(AC=DC\) ---①
\(CE=CB\) ---②
になります。
正三角形の1つの内角は\(60°\)なので、
\(∠ACE=180°-60°=120°\)
\(∠DCB=180°-60°=120°\)
となるので、
\(∠ACE=∠DCB\) ---③
になります。
①、②、③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
\(△ACE≡△DCB\)
になります。
(2)\(∠DFA\)の大きさを求めなさい。
\(∠DFA\)は\(∠AFB\)の外角になるので、
\(∠DFA=∠FAB+∠FBA\)
になります。
\(∠FAB=∠BDC=∠FBE\)なので、
\(∠DFA=∠FBA+∠FBE=60°\)
になります。